生活は楽ではないが、ごく普通の家庭 清水家。
その大黒柱である幸一は、真面目で 働き者であった。
そこに嫁いで来た恵子は、一度離婚歴があるものの幸一同様真面目で 仲の良い夫婦であった。
幸一、妻の恵子、そして恵子の連れ子である絵里の3人家族。
だが、絵里は、人間性は認めているものの 実の父親ではない幸一に どこかしら馴染めない一面を持っていた。
一方、金融会社 金成ファイナンスを経営する金成 明。
金成は、金儲けの為には、手段を選ばず、金がすべての男だった。
そして一人息子の拓也は、そんな父親のすねをかじり、
妻の弘子も好き放題の何不自由のない生活を送っていた。
ある日、絵里がバイト終えての帰り道、後輩の菜々子と出くわす。
その横には、金成の息子 拓也がいた。
以前、菜々子から電話で お金持ちを紹介するから会ってみない?
と誘われていたが、絵里は断っていたが
偶然にも 拓也と出会うのであった。
そして 3人で食事でも・・・と、誘われるが、その場は断り、足早にその場を去る絵里だった。
後日、菜々子から連絡先を聞いた拓也から 電話があり 絵里を 食事に誘い出そうとする。
絵里は、拓也の言葉巧みな誘いに負け 半信半疑ながら一緒に食事をする約束をするのだった。
しかし、意外にも拓也と過ごす時間は、とても新鮮で 楽しかった。
高級なレストランやゴルフ、乗馬・・・など、今までに経験した事のない拓也の生活ぶりに
徐々に引き寄せられていくのであった。
ある時、父の幸一は、仕事の帰り道で 橋の上から身を投げようとする一人の男性に遭遇する。
幸一は、その男に 早まった行動を取らないように悟し、自宅へ連れ帰るのであった。
そして 死のうとした訳を 問いただす幸一だったが、その理由が悪どい金融屋に騙され
将来を悲観しての行動であったことを知る。
幸一は、その話を聞き どこかしら落着きをなくするのであった。
実は、幸一の父親も生前、同じような目に合っていたのだ。
元々幸一の家は、相応に裕福であったが、ある時、父親が他人の保証人を引き受けたばかりに
何もかもなくしてしまい、以来貧乏で質素な生活を強いられているといういきさつがあった。
だから そんな自分を取り巻く環境とダブらせずにはいられなかったのであった。
そんな中、幸一は、拓也に送ってもらい戻ってきた絵里の姿を目撃する。
そして 絵里の誕生日と三社祭の開催が近づくに連れ
思いもよらぬことから幸一を取り巻く環境と 金成ファイナンスの関係が徐々に 表面化して行くのであった。